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2019.08.22不思議な不動産屋の世界

手数料が命

私達の収入源は仲介手数料・管理委託料・紹介斡旋料・広告宣伝料などの「手数料」。 仲介手数料とは 仲介手数料とは、不動産会社を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、不動産会社に成功報酬として支払うお金のこと。媒介手数料(媒介報酬)とも言います。 基本的に毎月入ってくるものではなく完全出来高制のフルコミッション。 賃貸なら借主と貸主双方併せて1ヶ月分が上限で、売買なら売主と買主双方から3%+6万もらえます。※両手取引の場合 管理委託料とは 入居者募集退去と集金業務とクレーム対応などの建物管理業務による手数料のこと。基本的に入居している限り毎月定額が入ってくる手堅い固定給で相場は5%。 紹介斡旋料とは 火災保険・家賃保証会社・住宅ローン・司法書士・電話・ネット・引越しなどの取次ぎによるバックマージン。あまりこれを期待しすぎると押し売りになってお客さんに嫌われます。また仲介手数料の安いところはこのようなオプションでがんじがらめの場合が多いです。 広告宣伝料とは 貸主が「早く部屋埋めて~」、売主が「早く家売って~」と特別依頼にかかる広告宣伝の費用。「もっとチラシ撒いて」「タウン誌に全面広告」「アドバルーン上げて」と特別依頼の時に使われますが、良いか悪いか賃貸では業者間のバックマージンのように媒介報酬を補填する目的でも使われます。 賃貸の仲介手数料と広告宣伝料の関係はとても複雑で奥深くわかりづらいですが、仲介手数料が0円でバックマージンのない物件を紹介するはずは通常ありません。あるとすればさばくことが最優先の自社物件。弊社の自社物件も借主との直接契約ならもちろん仲介手数料無料ですが、他社持込の場合は2ヶ月分の広告宣伝料(他社へのバックマージン)を出しています。 つまり極端に仲介手数料の安い業者では自社物件か広告宣伝料の多い物件が紹介され、バックマージンのない新築など好条件の物件を紹介されることはありません。

不動産業界の問題点

消費者のことを考えない慣習、これが最大の問題だと感じます。 消費者のことを考えないのはほかの業界でも同じだと思われる方もいるでしょう。 しかし、その人の人生を左右するような不動産で、且つ極めて専門性の高いものであるにもかかわらず、 消費者のことを考えないことに大きな問題があるのです。 業者にとって利益率の高い物件は先述の「広告宣伝料」が多い物件、 それが本当に消費者が求める物件なら問題は無いのですがなかなかそうはいきません。 このことが往々にしてそのまま消費者の大きなリスクへと繋がります。 本来なら住んでから生じると予測されるリスクなどは最初に丁寧に説明すべきですが、業者はその説明を極力避けようとします。 なぜなら知られると借りてもらえない、などと考えるからです。 でも借りる側としては、それこそが最も知りたいことではないでしょうか? 当たり前ですが本当に条件のいい物件は黙っていてもさばけます。 全ての不動産について言えることですが、不動産には良い点もあれば悪い点もあり、それが当たり前。 なぜなら多くの法的な規制や環境や条件があって不動産の一つ一つにそれらが異なるからです。 業者にとって利益の出る物件を最優先で消費者に紹介する業界の慣習には大きな疑問を感じます。

見渡せばオトリだらけ

賃貸・売買ともに集客目当てで嘘の物件を掲載しているパターンが本来のオトリ物件。単に管理しきれずに古い情報が残っているだけの場合もあります。ネット上では圧倒的に賃貸のほうが多いです。 売買の場合はチラシによく見られます。「当マンション限定でご予算○○万円でお探しのお客様がおられます。」って文言。明らかに相場より高めの金額で査定依頼まで持ち込めればラッキー、後はなんだかんだと値こなしされて結局は相場水準で囲い込まれるのがオチです。

秘技、売り返し

もうここまで来れば秘技というか奥義というか、そこまでやるかのお話です。相場以上の査定を出す高預かりで物件を預かって、干して値下げさせて商品化して、他の業者へは情報を出さずに囲い込むことまではクローズアップされていますが、さらにその上をいくのが売り返しです。囲い込んで値下げさせた物件を再販業者へ売ることで両手取引で仲介手数料は2倍です。そして再販業者にリノベーションされた物件が今度は再販業者を売主として戻り、最後に一般のエンドユーザーの買主へと渡ります。こちらでも両手取引で仲介手数料は2倍なので一連の取引で仲介手数料は4倍になります。再販業者も仕入れがないとリノベーションして商品化できないので、お礼の意味を込めて仕入元に再び専任で売り依頼をかけます。 目指すゴールは売主と買主双方を同時に媒介するような両手取引の往復であって、仲介手数料も4倍ゲット!忘れてならないのが相場以上に買い叩かれた最初の一般売主とハリボテのリノベを掴まされた最後の一般買主さんにほかなりません。

先物物件はトラブルメーカー

先物物件だけは少し複雑な存在。不動産業界では、「元付け」と「客付け」以外に、「第三の不動産業者」が間に入ることを嫌います。仲介手数料の分け前で不利益が発生してしまうことから、元付けが先にいる「先物物件」を他の不動産会社に紹介することは少ないです。 もし先物物件・元付業者の情報を提供する場合でも、事前に自分たちが仲介としての報酬を望むのかどうかを明言しておかないと、後でトラブルの元になります。あたかも自分が「元付け」と「客付け」であるかのように、振る舞ったり勝手に紹介してはいけません。 お金が絡むと、みんな本気です。 複数の業者が介入する共同仲介では分け前が減って食いぶちが減るのです。具体的には500万の報酬で「元付け」と「客付け」の2社だけなら250万ずつで終わり。ここに「名前だけ書かせて」と関連会社や兄弟会社が2社出てくれば、4社の共同仲介で1社あたり125万、「元付け」125万と「客付け」375万になります。「元付け」からすれば125万の減額なのでたまりません。 名前だけ書いて協力してくれた関連会社や兄弟会社に正規の125万でなくても25万ずつでも謝礼すれば、本来の「客付け」は325万の報酬にありつけます。 仕事の貢献度に応じて報酬を得る、本来の真面目な共同仲介ももちろんありますが、先物物件の共同仲介はチームプレーの中に危険が潜む諸刃の剣です。

事業用賃貸物件はドリームメーカー

50万のオフィス物件を「客付け」として仲介して「元付け」からの報酬が、「分かれ」なら無報酬、「0.5ヶ月(半月)」なら25万、「1ヶ月」なら50万です。 よくできる営業マンは「1ヶ月を0.5ヶ月にできないか?」と掛け合って来るのですが、単純に「本当に50万を25万でいいのか?」と喜ぶようではあなたも人が良い。このよくできる営業マンは「会社にでなく私に25万をくれ」と暗に言っている訳で、個人バックでキャッシュのほうが営業成績で給与に反映させるより高収入だからです。一昔前の担当者ボーナス(担ボ)です。 お金が絡むと、みんな本気です。 こういう場合は「お主も悪よのう」とたしなめるのが正解で、話に乗ると営業マンはやがて「俺はできる男」と勘違いして独立してしまい、5年目の免許番号の更新を待たずにほとんど倒産します。 営業センスと経営センスは似て非なるもので、よくできる営業マンがよくできる経営者とは限りません。成績優秀な営業マンほどチームプレーに向いておらず、リーダーになれないのはよくある話です。

不動産売買の不味いあんこ

「“不動産屋ごっこ”はしません」売買に関して、その道のプロの言葉に共感しました。「サラリーマンには教えない」とも口癖です。 無免許でブローカー的な頑固じいちゃんが多いのですが、情報を持ち回ったりリークしたりされるのをとても嫌います。あくまで「実になるかならないか」だけの世界ですので、会社の規模等は不問で実績だけを見ていただけます。情報はコネと足で稼ぎびっしりとノートに書き記すアナログさが逆にモノを言う世界かもしれません。 売り手と買い手の間に何社もの仲介業者が挟む(あんこ業者)ような取引でなく、弊社の先は根付け業者さん(お客さんから直接媒介依頼を受けている業者)に限定することで、スリム且つ効率的な取引が実現可能なのです。 不動産業界は報酬を皆で分けるので、「近所だから行ってあげる」と登記簿や住民票をお願いすれば裏に日付とハンコ。「名前だけ書かせて」とあんこ業者は善者を装って報酬を少し持って行きます。 ※難しい案件を皆で知恵や工夫を出し合って助け合う、そんな美味しいあんこの世界も実際はあります。