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2020.01.31民法改正で大阪のお部屋探しはどう変わるか?

2020年4月から改正民法が施行されます。内容は多岐に渡り、私達もセミナー続きで勉強中です。
基本的には借主にかなり有利な内容に改正されること、実際には運用して判例や特約が積み上がっていかないとなんとも言えない部分が多く、しばらくは手探りになるとの見解です。

それでは現段階で実際に大阪のお部屋探しの場面でどのような影響があるのかをわかりやすく説明しましょう。

1.保証会社と火災保険は必須

法律では極度額を定めない保証契約は無効になりました。「家賃5万のワンルーム、燃やしちゃった時を盛り込んで極度額1000万の保証人が必要」これでは誰も保証人になりません。
⇒これからは連帯保証人不要がスタンダードです。今後は家賃は家賃保証会社、火災などによる大家への賠償は火災保険が対応することになるでしょう。

2.不具合はすぐに要連絡

法律では借主が修理して費用は貸主負担、おまけに使えない時は賃料減額されると明記されました。
極端な例では小修理で治るエアコンを新品のハイグレードモデルに入替えて、動かない期間の賃料減額分と一緒に貸主に請求を回すことも可能です。
⇒これからは借主に故障時の通知義務を課せて、賃料減額には1週間などの免責期間が特約で盛り込まれるでしょう。

3.原状回復費用は礼金で

大阪には原状回復は借主がするものという考えがあって「10万円のお部屋で50万預けて30万敷引で20万の返金、お部屋は引かれた30万でもとに戻してね」という感じの素晴らしい敷引文化がありました。
それがなくなってから当初は敷金の返す返さないが問題になって、最近は敷金そのものが少なく、退去時にいろいろ請求されることが問題になっていました。
⇒これからは原状回復分を全て礼金で見積もる契約が主流になると思われます。

4.自動更新はそのまま

⇒大阪で一番多い「更新料なしで自動更新」の場合、従前契約の延長と解されるため新民法の適用はなく手元の契約書の内容が全てになります。

 

最後に今回の民法改正で双方の細かい取り決め部分は全て特約に盛り込むという日本も契約社会になってきました。何もしなければ消費者保護=借主有利な内容に傾くため、話し合わない特約に盛り込まない貸主がとる手段は優良借主の選別に繋がります。
消費者保護が目的の民法改正が結果的に生活弱者にとって厳しいものにならないかとても心配でなりません。